不動産を含む1億円規模の相続で遺留分の回収に成功した事例
- 2025.07.09

相談者属性
年齢・性別
20代・男性
お住まい
京都市在住
被相続人との関係
代襲相続人(被相続人の孫)
遺産額
約1億円(不動産・預貯金)
ご相談前の状況・概要
相談者の父(被相続人の子)がすでに亡くなっていたため、相続においては代襲相続の立場でした。
相続は二段階に分かれて発生しており、第一段階では祖父(被相続人)が死亡し、相続人である祖母や叔父らによって遺産分割が行われました。この際、叔父が相談者の祖母から相続分譲渡をうけ、遺産(約2億円程度)を取得してしまいました。
その後、第二段階として祖母が死亡したことで、相談者には遺留分の請求権が発生。しかし叔父は「第一段階の相続で全ての手続きは終了している」と主張し、遺留分相当額の支払いを拒否していました。
対応の流れ
当職は第一段階の相続時から事情を把握していたこともあり、改めて相談者よりご依頼を受け、対応を開始しました。まず、遺留分侵害額請求の調停を申し立てました。
相手方である叔父は、第一段階で相続分の譲渡を受けたことで、遺留分の対象となる財産は残っていないとの主張を続けました。しかし、実際には遺留分侵害額請求の対象になりうることを法的に整理し、主張を構成。
調停の場では、相手方から「1000万円での和解提案」がありましたが、相談者としては納得できず、訴訟に移行。
裁判では、遺留分侵害額として請求していた2700万円の支払いについて、金額自体は争いがなく、主に支払い方法が争点となりました。
結果
ご依頼を受けてから約1年の手続を経て、最終的にはご相談者の主張が全面的に認められる形で解決に至りました。調停では合意に至らなかったものの、訴訟に進んだことで、遺留分侵害額として請求していた2700万円について、支払い義務の存在と金額が明確に確認されました。
相手方との間では、支払い方法についても具体的に取り決めを行い、まず1000万円を1か月以内に支払い、その後の1700万円については半年以内に不動産を売却して充当するという現実的かつ実効性のある内容で和解が成立しました。金額面でも支払い計画の面でも、ご依頼者の意向が最大限に反映された結果といえます。
この解決によって、ご依頼者は本来受け取るべき正当な財産を確保することができ、大変ご満足いただけました。納得のいく形で相続問題を終えることができたことは、今後の生活や心の整理にも大きな安心をもたらしたものと考えています。
弁護士に相談するメリット
本件では、代襲相続や相続分の譲渡といった複雑な事情が絡む中、弁護士が初期段階から丁寧に関与し、ご相談者の思いに寄り添いながら対応しました。調停での和解に納得できなかったお気持ちを受け止め、訴訟へと進んだ結果、2700万円の満額回収という納得のいく解決を実現。相続には感情や事情が複雑に絡みます。だからこそ、安心して相談できる存在が大きな支えになります。