私には子供がいませんが、私が死ねば誰が私の財産を相続する権利があるのでしょうか?
- 2023.05.11
Q.私には子供がいませんが、私が死ねば誰が私の財産を相続する権利があるのでしょうか?
A.法定相続では、①配偶者と子供、②配偶者と親、③配偶者と兄弟姉妹、の順番で相続人になります。配偶者は常に相続人になります。
さて、配偶者がすでに亡くなり、子供もいない場合、高齢の方では親が先に亡くなっている可能性が高いですので、兄弟姉妹に相続財産が行くことになる場合が多いです。
ただ、自身が高齢の場合、兄弟姉妹も既に亡くなっている場合も多く、そうなると、その兄弟の子供(甥、姪)に相続財産が行くことになります。甥姪に自分の財産が相続されてもいいのであれば構いませんが、甥姪とは長く親交がなかったり、会ったこともないということも考えられます。親交の薄い甥姪に自分の財産が相続されることを望まない場合には、事前に遺言書を書いて自分の好きな人に財産を残すという方法もあります。①子供、②親、には遺留分と言って、遺言書でも相続させないわけにはいかない相続分がありますが、③兄弟姉妹にはその遺留分と言う権利はありませんので、遺言書どおりに財産を自分の好きな人に残すことができます。
さて、法定相続人がなく、遺言書も書かずに亡くなった場合にはどうなるか、利害関係人が家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し立てます。相続財産管理人による一連の手続きが終わってなお、相続財産の行先がない場合には、今度は、生前に被相続人の身の回りの世話をした人などが、特別縁故者であるとして、家庭裁判所に遺産の請求を申し立てることができます。家庭裁判所が一切の事情を考慮して、審判し、特別縁故者に財産を相続させることになった場合には、相続財産は特別縁故者に引き渡されます。特別縁故者からの申立もない場合には、相続財産は最終的には国庫に帰属することになります。